【場面緘黙っ子】の気持ちを聞き出す方法(年中)

場面緘黙っ子に親・人として日々学ばせてもらっています。
※場面緘黙とは、家などでは普通に話すのに特定の場面(保育園・学校など)では話すことができない状態。


緘黙っ子は、小さな嫌な事は言えても
本当に嫌だった出来事を親の私にでさえ、
伝えることを嫌がっていました。

保育園に迎えに行った時から、
機嫌が悪かったり、抱っこを求めてきたりと
何かあったことは分かるのですが、
「保育園で嫌なことがあった?」
と聞いても泣き叫ぶだけで教えてくれませんでした。

今までの私の対応がそうさせてしまっていたんだと思います。
例えば
「やめてー!って言ってみたら…」とか…
緘黙っ子にはできもしないアドバイスをし、
『嫌だった出来事を言っても仕方がない!』と思わせるような言動を取っていました。
(そもそもアドバイスでもなく親の願望を言って、緘黙っ子を苦しませていました。)

このままでは、駄目だと気づいてから
『嫌な出来事を言ったほうがいいんだ!
気持ちもラクになるんだ!
と思える経験をさせよう』
と決心しました。


緘黙っ子の心がそんなにしんどくない軽い嫌だった出来事は言ってくれてはいたので、
まだ、言ってくれているうちに関係を回復しようと
決心してからはアドバイスなどほとんどせず、
その都度、共感し
「嫌だったね。
言ってくれてありがとう。
先生に伝えてもいい?」
とだけ聞いていました。
もし、どうしてもアドバイスがしたくなったら
「母or父ならやめてー!って言っちゃうなー」
と主語を自分にして伝えていました。


今まではこちらが聞いてやっと答えてくれる感じでしたが、
こっちの対応が変わると相手も変わってくれ、
保育園から帰宅する間の自転車で、
こちらから聞かなくても、
『今日の嫌だった事』を話してくれるようになりました。
うちの子の場合、自転車は顔を見て話さなくていいこともあり、話しやすかったんだと思います。

言いやすい環境を作れてきたとは言え、
本当に嫌だった事は、
やっぱり言えないままでした。
お風呂場でリラックス状態だったら話してくれるかなー?!と思い聞いたのですが、
泣いてしまい、思い出したくもない様子でした。


緘黙っ子はなかなか忘れられない性格なので、
このまま、嫌な思い出を心に閉まって、
でも、時々その嫌な思い出がフラッシュバックしてまた悲しくなっての繰り返しになってしまう。
緘黙っ子は、言って自分の中で解決できたらスッキリするタイプなので、ちゃんと聞いてあげないと!
と思い、色々と試しました。

その中で一番効果があったのが、
寝る前に、電気を消した暗いお布団の中で、
顔も見ずに『嫌だった事を話そう大会』をしていました。
まずは親が、嫌だった出来事を伝えることから始めました。
例えば
「今日、失敗して仕事場の人に怒られた」
などなど…

すると、緘黙っ子も言いやすくなったのか
「◯◯君にタオル取られてイヤだった」
など伝えてくれるようになりました。

言ってくれたら、すかさず
「嫌だったねー!!
お母さんもそんな経験あるー!!
保育園の時に帽子取られてイヤだったー」と、
同じようなエピソードがあるよ。
自分だけじゃないよ!!
親だって経験してるから安心してね!!
を伝えていました。
(幼少期の出来事なんて覚えていないので、作り話ですが…(笑))

すると毎日
「何か嫌だったことの話しして!!」
と言われるように、なりましたが…
ネタ切れで何も思いつかなくなってきたので、
緘黙っ子がイヤだった事を教えて?そしたら、思い出すかもしれない。」
と言うと、
溢れるように今まで溜め込んでいた嫌だった事が出てきました。
そして、
「お母さんはその経験ある?」
と聞いてくるので、
「あるよー!!」とその話に似た作り話を毎日話していました。

本人も、心がスッキリしたのか
ある日を境に、この習慣はなくなりました。
たぶん、『嫌だった出来事を言い合おう大会』は2週間弱ぐらいで終了したと思います。


今では、嫌なことがあったら保育園の階段を降りながら、今日あったことをすぐに教えてくれるようになりました。


【まとめ】
当たり前のことなのですが…
緘黙っ子と私は同じ人間ではなく、
それぞれの感じ方・考え方があるのに、
親だからってアドバイスしていい気になっていたんだと思います。
そのせいで、言いにくい環境を作ってしまっていました。
勝手に役にも立たないアドバイスなんてして…
緘黙っ子が求めていたのは『共感だけ』だったのに…

それに気づいてからは、ひたすら
『共感』だけし続けました。
すると、緘黙っ子も話してくれるようになり、
その日の出来事は、その日のうちにスッキリできるようになったので、
緘黙っ子も、寝ながら叫ぶこと(夜驚症?!)はなくなりました。

たった一つの言動で、こんなにも変われるんだなーっと…
緘黙っ子に親として人間として成長させてもらっています😊