【場面緘黙っ親】ドキュメントTVをみて思う事

場面緘黙っ子に親・人として日々学ばせてもらっています。
※場面緘黙とは、家などでは普通に話すのに特定の場面(保育園・学校など)では話すことができない状態。


二人の子供と生活している家族のドキュメント番組(イーちゃんの白い杖)をしていました。
上の子は全盲で目が全く見えない。
下の子は重度障害で常に介護が必要な状態。
この家族を20年以上に渡って密着していました。


そのTVでは
『障害があろうがなかろうが誰にでも生きる意味・生まれてきた意味がある!!この家族が本当の幸せって何か教えてくれました。』
と最後に締めくくられていました。
その通りだと思います。

誰かが言っていました…
『障害は不便だけど、不幸ではない!!』
本当にそうだと思います。

緘黙っ子を育てていても、喋れなくて不便だけど不幸だとは思いません。


障害をもつ子を育てている親も不幸ではないと思います。
でも、大変か大変じゃないかと聞かれれば…
やっぱり大変だと思います。

私は親目線でどうしてもTVをみてしまいます。

私は緘黙っ子と生活をしていて大変なことも多々ありますが、一人で身辺自立はできます。

重度障害者と生活している、その方とは大変さの種類も全く違うので想像することしかできません。
それに、映像でみせている部分は一部分だろうから、私が想像する以上に大変だろうと思います。


TVでの母親の言葉で
『二人いてしんどいし大変だなと思うこともあるけど、二人で何とか助け合ってくれてありがたいなーっと、今はね思いますけどね…長かったですけどね…ここまで…』

私はこの言葉が全てを物語っていると思いました。


自分の子供は可愛い!!唯一無二の存在!!
これは大前提だと思います。
でも、毎日の生活が大変すぎたんじゃないかと…。
肉体的にも精神的にも…

ただ、肉体的にも大変だとは思うのですが、
それよりも精神的にしんどいほうが辛かったんじゃないかと思います。

TVの母親も看護師としてずっと働いていました。
二人だけをみていたら自分に余裕がなくなり、パニックに陥ると思ったから!と言っていました。


たぶん色々と受けられる支援は受けてきたんだと思います。(施設が足りないなど苦労はあったと思うのですが…)
だからこそ母親も働き続けることができて、家以外の居場所があったから、大変な育児も乗り越えられたんだと思います。

親にだって家以外の居場所は必要で、
それが仕事場なら、
お金も稼げるし最高だとは思うのですが…

障害のある子供を育てていると、仕事を休まないといけないこともたくさんあると思います。
理解のある会社なら働き続けられるのですが、全部の会社がそうとは限らないため、そうなると会社にもどんどん居辛くなり結局、辞めてしまう方も大勢いると思います。
そして、家に引きこもり障害のある子の育児だけをしていると、将来の事など考えてしまい、不安で不安で…
不安に押しつぶされそうになり、
親の心が疲弊してしまう…。

今回のドキュメントをみて、重度障害者をもつ親の大変さを想像しながらみていましたが、
ドラマのリエゾンでもこのような事を言っていました(記憶は曖昧ですが…)
『同じ苦しみが分かるのは医者でもなく誰でもなく、同じ体験をした人だけ』

私の子は場面緘黙症なので、場面緘黙症をもつ親の苦しみなどは、症状の軽度・重度の違いはあれど、場面緘黙症を育てていない方よりは、分かり合えると思います。
でも、重度障害者をもつ親の大変さは想像でしかなく、本当の苦しみ・辛さ、そして喜びなどは経験していないので、分かりません。

だからこそ、同じ境遇の人達と
「◯◯が大変だよねー!!」
「分かる分かるー!!」
「でも、◯◯してると幸せだよねー」など…
分かち合える場所が必要だと思います。

育児をしていて辛い・苦しいだけではなく
日々、喜びや楽しみなど幸せを与えてくれているので毎日の育児を頑張れるんだとは思います。

でも、辛い時・苦しい時に
自分の胸の内を言葉にし発散し、
共感してもらえ、
そして他の人の話を聞き、
皆も大変だけど頑張っているんだ!
だから私も明日から頑張ろう!!
とまた新たな気持ちでスタートできる。
そんな場所があれば、より心穏やかに
日々の育児を楽しめるのではないかと思います。

私の経験ですが、
モヤモヤしていた気持ちを言葉にして伝え、共感してもらえただけで、
心がスーッと軽くなり、
『よーし!また毎日の癇癪に付き合いながら育児頑張るぞー!!』と…
発散して数日は優しい気持ちで子供に接することができました。
(数日すると、またイライラしてしまうのですが…)

 

障害を持っている子も困っているが、親だって困っている…
改めて、障害の子だけではなく、
障害の子を育てている親の居場所ももっと増えていったらいいのになーっと思いました。