【場面緘黙っ子】のお遊戯会(年少)

場面緘黙っ子に親・人として日々学ばせてもらっています。
※場面緘黙とは、家などでは普通に話すのに特定の場面(保育園・学校など)では話すことができない状態。

 

 

場面緘黙っ子にとって、運動会と同じぐらい大変な行事…
それはお遊戯会。


1-2か月前ぐらいから練習が始まりました。
先生に日々の練習内容を詳しくは聞いていないので、憶測ですが、
題材は『からすのパン屋さん』でした。

皆が、それぞれに絵本の世界に入っていけるように、カラスになって公園を飛び回ったり、
お散歩で山に行ってカラスを探しに行ったりと…
楽しい!を、作ってくれていました。

そして、緘黙っ子が大好きなクッキングで何度もパンを作って、
保育園のアナウンス室に行き、
「今からカラスのパン屋さんが開店します」と
皆で言い、保育園中にそのアナウンスが流れました。
緘黙っ子も一緒に言っていたそうです。
そして、
パンをお客さん(先生や年長さん)が買いに来てくれて、
「いらっしゃいませ」と皆と声を合わせて言っていたみたいです。

2か月の間に2−3回カラスのパン屋さんは開店し、パン屋さんごっこを楽しんでいたみたいです。
そんな楽しい体験を重ねながら、
カラスのパン屋さんの世界に入っていきました。


でも、役なども全く決まっていなく、
それぞれがその日になりたい役になっていました。

役が決まったのは、本番の1週間前ぐらいだと思います。


本番の数日前に、近くの山に
カラスのパン屋さんをお遊戯会ですることをカラスに報告に行き、作ったパンを切り株の上に置いていったそうです。
(先生がすぐに撤収したそうです。)

そして、次の日にカラスが持って帰ってくれたのかを見に行くと、
パンはなくなっており、その上にお手紙とともに、たくさんの羽が置いてありました。
お手紙には
『パンありがとう。お礼にこの羽をどうぞ。
この羽をつけるとカラスみたいになれるよ』
という感じの内容が、書かれていたそうです。
もちろん、全て先生が考えてくれた演出です。


とうとう当日、
大きなホールに大勢の観客(親)がいる中で立つステージ…
いやいや緘黙っ子には無理でしょ!と親は諦めていました。
まずは年長・年中・年少の皆での合唱から始まりました。
緊張した顔つきでしたが、舞台に立ちしっかりと歌っていました。
それだけでもう、感動でした。

そして、年少さんの番が来ました。
まず、カラスのお父さん・お母さんが出てきて、
子供カラス5匹を呼びます。
緘黙っ子は子供カラスでおもちちゃん役でした。
「おもちちゃーん」と呼ばれたら2−3人が手をパタパタと飛ぶ真似をしながら出てきました。
その中に緘黙っ子もいました。

カラスからもらった羽根パワーをもらって😊
それからもパンを作る真似をしたり、パンを売ったりとおもちちゃんになりきっていました。
緘黙っ子だけの台詞はなく、
「カーカー」
「いらっしゃいませ」
など言わなくても他の子達が言ってくれるので、
本人もまだ気が楽だったのかなと思います。

初めての大舞台では、充分すぎるほどの出来でした。

本人も、『出来た!!』を味わうことが出来て満足気でした。

撮った動画を何度も「観たいー!!」と要求し、
ニコニコしながら、1年経った今も観ています。


【最後に…】
場面緘黙っ子にとって、舞台に立つと言う事だけでも不安でいっぱいだったと思います。

先生がやらされている感を感じさせないように、楽しく練習を考えてくれて、
少しずつ自信をつけさせていってくれたおかげで、本番に挑めたんだと思います。

今回のお遊戯会は
本番ではもちろん、
練習の中で様々な体験を通じて、
自信をつけ、一回り成長したように感じます。

楽しみながら、様々な経験を積めたことは
緘黙っ子にとって、かけがえのない財産になりました。
親だけではこの経験はさせてあげられない…。

やっぱり先生の協力がないと今回の行事も出来なかったと思います。
親が出来ることは、何でも相談できるように先生といい関係を築いていくことだなーっと
行事の度により一層感じます😊