【場面緘黙っ子】の運動会(年少)

場面緘黙っ子に親・人として日々学ばせてもらっています。
※場面緘黙とは、家などでは普通に話すのに特定の場面(保育園・学校など)では話すことができない状態。

 

小規模保育園(7人)から保育園(20人)に転園した年少さん。
大きなグラウンドで初めてする運動会は、
本人もドキドキしているだろうけど、
親だってドキドキ…

 

運動会の練習が始まる少しぐらい前から、
朝の出欠の時に小さい声だが名前を呼ばれたら
「はーい」と手を上げていたみたいです。

そうやって少しずつ声を出す練習を、先生がしてくれていたんだと思います。


そして、運動会の練習が始まりました!
種目は
鉄棒・平均台・木の板を登る(傾斜80度ぐらい)
は、運動が好きなので楽しみながら練習をしていたと思います。
そして、最後は"かけっこ"
走ることは好きなのですが…
問題は
『走る前に名前を言うこと』でした。

先生に日々の練習を細かく聞いていないので、
憶測ですが、
初めはお散歩がてら広い原っぱに行って、
みんな一列になって先生も一緒に
『よーい!どん!!』の合図で遊びながら、
かけっこの練習をしていたと思います。
(子供はかけっこの練習とは思っていないと思います)
みんなで走る・合図で走るという自信がついてきたら、端っこの子から順番に名前を言っていく!!
そして、
次は少人数の5人ぐらいに分かれて順番に走る。
それが出来てきたら、次は5人1グループごとに順番に並んで1グループが名前を言って走ったら、次のグループが…
というように、スモールステップで運動会の練習をしていたと思います。

お迎えの時に、担任の先生が
「原っぱで1人づつ名前を言って、かけっこしたけど名前ちゃんと言ってたよ」
とサラッと報告してくれました。

5人1グループで名前を言って走る練習は、
運動会の1・2週間前ぐらいから始めたと思うのですが、その時も
「今日も名前ちゃんと言えてたよ!」
とサラッと報告してくれました。


まさか、名前を言えると思っていなかったので
最初はかなりビックリし嬉しかったのですが、
先生に「運動会、楽しみにしておいて!でもプレッシャーかけたらダメだよ!!」
と釘を差されました。
そのお言葉本当にありがとうございます😊

その先生はいつも緘黙っ子を喋れないからと特別扱いはせずに、他の子に質問した後サラッと緘黙っ子にも質問してくれていました。

なので、かけっこの順番も最後のグループで、
グループの中で真ん中の位置にしてくれて、
サラッと名前が言いやすいように順番を考えてくれたんだと思います。
ありがとうございます🙏

 

そして、いよいよ運動会当日。

入場もしっかり出来て、
鉄棒・平均台・板登りも頑張っていました。

とうとう、かけっこです。
名前言えなくたって、練習で頑張って言えてたんだから、それで十分だよね…
と口には出しながら、やっぱり運動会の本番で、
その姿を見てみたい!!と思ってしまっていました。
でも、先生に『プレッシャーをかけないように』
と釘を差されていたので、
本人の前では、かけっこで名前を言う事には触れず『楽しんできてねー!』
と声をかけました。

そして、前のグループが走り終わり、
とうとう最後のグループ、緘黙っ子が走るグループの番になりました。

一番初めの子が、めちゃくちゃ大きな声で名前を言いました。それにつられて2番目の子も大きな声で、そして緘黙っ子も前二人に比べたら小さな声でしたが、かなり大きな声で名前を言っていました!

すっごくホっとしたのと嬉しさと…
それと同時に、
頑張ったねー👏と緘黙っ子を誇らしく思いました。


【最後に…】
運動会は場面緘黙っ子にとっては大きな挑戦だったと思います。
でも、先生がスモールステップで少しずつ出来ることを増やしてくれ、自信がついたのだと思います。


そして、本番で『出来た!!』という達成感は、明らかに顔つきが違いました。
運動会で得た自信によって、保育園生活でも
少しずつ声を出せるようになってきました。

 

が、出来ることが増えれば増えるほど、
親が『喋ること』に執着しすぎて、
クリア出来たら次の課題と…
どんどんと目標を高くし過ぎてしまい、
子供に負担をかけてしまいました。

保育園の先生に言われた、
『プレッシャーをかけたらダメだよ!!』
まさに、この時の私に必要な言葉だったと思います。